ちょっちミサトさん
「うえええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇんっ!」
ネルフの廊下を大声で泣きながらフラフラと歩くミサトがいた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉんっ!」
大滝の様に涙を流すので前が見えない、幾度と壁に激突しながら目的もなく歩いていく。
「何よ五月蝿いわね」
1キロ離れていても聞こえる大声にリツコが研究室から耳を塞いで出てきた。
「うえええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇんっ!」
「ミサト、何泣いているのよ」
「あう・・・・リツコ・・・・・・ううううううううう」
その場にへなへなと座りこみ力無くうなだれるミサトに、リツコは只事ではないと感じた。
「いったいどうしたのよ?何があったの」
「うっぐ・・・それがね。シンちゃんが・・・・・アスカが・・・・ペンペンが・・・・ひっく」
「シンジ君達がどうかしたの?」
リツコはまたシンジとアスカがケンカしたのだろうと思ったが、ペンペンも加わっているので何故?と思った。
(ペンペンも加わるなんて三つ巴のケンカかしら?違うわね)
「・・・・出て行っちゃったのよ!!うええええええん!」
リツコはため息をついた。ミサトのズボラさにいつかは愛想を尽かして出て行くだろうと思ったからである。
「また、シンジ君にビールを増やせとか、アスカをからかったり、ペンペンをマクラにしたんじゃないの?」
「ちがうの〜・・・いつもお世話になっているから、たまには姉として良いことをしようとしたのに・・・・うっく」
「良いことならなぜ出て行く必要があるの?」
言葉とは裏腹に『大失敗したんじゃない?』と思っていた。
「わかんないのよ。完璧だったのに・・・・私の中で今まで五つ星以上の最高傑作だったわ」
「最高傑作・・・・・ねえ」
その言葉でピンと来た。
「それなのに・・・うおおおおおん!」
「ねえ・・・ミサト、その最高傑作ってもしかして・・・・カレー?」
それならシンジ達が出て行くのもうなずける。
「違うわよ・・・・・」
「カレーラーメンよ」
「・・・・・・・・そうなの」
リツコはあの光景を思い出した。ミサトに夕食を呼ばれた時、シンジとリツコはカレーでミサトはカップラーメンにカレーをかけたあれを。
(あれなら、出て行くのも当然ね)
「リツコ〜〜!どうしていけなかったのかしら?」
「・・・・・それはね。ミサト、あなたがそれに気がついたらわかるわよ」
「?わからないわよ〜」
リツコはため息をつくとミサトを無視して研究室に戻った。
「ああ〜教えてよ〜〜、帰ってきてよ〜シンちゃ〜〜〜ん、アスカ〜〜〜、ペンペ〜〜ン」
カレーラーメン、出て行きたくなりますね(笑)
リツコさんは同情せずに研究室に戻って行くなんて、ミサトさんのカレーは…
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION ちょっちミサトさん